7月3日に岡山県の湾岸で有毒のコカミアリが見つかり、初めて国内に侵入したことがわかりました。
コカミアリは南米原産の特定外来生物で、日本に定着することが心配されています。
海外では人体や環境に影響が出ているそうで、心配ですよね。
今回はコカミアリの特徴とヒアリとの違い、またコカミアリに刺されたらどうなるかを調べてみました。
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コカミアリの特徴とヒアリとの違いは?
コカミアリの特徴は次のようになります。
【和名】コカミアリ
【科名】アリ(Formicidae)
【学名】Wasmannia auropunctata
【英語名】Little fire ant
【原産地】中南米原産。中米からフロリダ以南にかけてやアフリカ、ガラパゴス、ニューカレドニアなど太平洋諸島に侵入している。
*** IUCNの侵略的外来種ワースト100にリストされている。***
【特徴】多女王性であるため1コロニーあたりの産卵量も多く、物資に伴う分散にも女王が伴うことが多いため、コロニーの増殖や分布拡大の能力が高い。
引用:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-kon-05.html
昼夜を問わず活動するため、採食能力が高い。
こちらがコカミアリの画像。
拡大した写真ですが、実際は1~2ミリという小さい種類のアリです。

有毒のアリのイメージは、赤っぽかったり毒々しい外見だったりしますが、薄い褐色とはちょっと意外ですよね。
小さくて色も目立たないとなると、どこかに紛れてしまいそうです。
環境省によると、コカミアリは中南米原産のアリで、中米からフロリダ以南にかけてやアフリカ、ガラパゴス、ニューカレドニアなど太平洋諸島に侵入。
IUCN(国際自然保護連合)で、危険な外来種にもリストされています。
【被害状況】
■生態系に関わる被害
引用:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-kon-05.html
- 捕食による直接的な影響で在来の無脊椎動物に深刻な影響を及ぼす。
- 在来のアリ類を駆逐する例がある。
- ニューカレドニアでは爬虫類の個体群を減少させている例がある。
- 刺されると激しい痛みを感じ、農作業等に大きな被害を与えている地域がある。
すでに侵入している地域では、在来の動物やアリ類に影響が出ていて、ニューカレドニアでは爬虫類の個体群を減少させている例も。
FIRE ANT(電気アリ)と名前がついていて、人間も刺されると電気が走ったような痛みを感じるそうですよ。
2017年に多数発見されて話題になったヒアリも、同じく電気アリの一種です。
こちらはヒアリの画像。

ヒアリの大きさは2~6ミリで、頭と胸部は銅褐色、腹の色が濃いという特徴があります。
ヒアリはコカミアリより一回り大きく、色も少し黒っぽいという違いがあります。
ただ、ヒアリとほかのアリとの違いはわかりづらいかもしれないですね。
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コカミアリに刺されたらどうなる?
コカミアリに刺されたら、アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みが出て、水疱状に腫れるという情報があります。
毒に対してアレルギー反応が出る例も。
【被害状況】
■人の生命又は身体に関わる被害取扱い上の注意刺されると、アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、水疱状に腫れる。さらに毒に対してアレルギー反応を引き起こす例が、北米だけでも年間で1500件(本種を含めた”fire ant”全体の件数)近く起こっている。
引用:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-kon-05.html
日本ではまだコカミアリの被害情報がないため、ヒアリのケースを参考にしたいと思います。
読売新聞オンラインの記事によると、アリ研究者の村上貴弘・九州大准教授は、なんと2017年までで海外で合計60回位ヒアリに刺された経験があるそうです!
中でも、台湾で刺された1回とアルゼンチンで大量に刺された際の「最後の一刺し」の2回は危険な症状がでました。
台湾でヒアリに刺された時の画像。

数時間で膿んできて、周りが直径1センチ程度赤く腫れます。刺された場所は、「痛痒く」なります。痛痒さは2週間程度続きます。台湾で刺された際は軽いアナフィラキシーショックが出て、めまい、動悸、手の震え、軽い吐き気、視野の異常(ピントが合わなくなる)などの症状が出ました。
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20170710-OYT8T50079/
- 数時間で膿んできて、周りが直径1センチ程度赤く腫れた
- 刺された場所は痛痒くなり、2週間位続く
- アナフィラキシーショックが出た(めまい、動機、手の震え、軽い吐き気、視野の異常)
記事には「アナフィラキシーショックを起こしているかもれないときは、速やかに病院に行ってください」とあります。
ただ、全員にそういった症状がでるということではないそうです。
ヒアリに刺されて重篤なアナフィラキシーショック症状を起こすのは全体の1~2%、致死率はさらに低い約0.001%です。たとえ刺されたとしても、パニックにならずに冷静に対応すれば、重症化を防ぐことは十分可能です
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20170710-OYT8T50079/
もし刺されても、パニックにならずに冷静な対処が大切ということですね。
ヒアリに刺されても、手ではらうのはやめましょう。ミツバチと違い、ヒアリは何度も毒針で刺せます。払いのけようとした手も刺されてしまう危険があります。手ぬぐいやタオルで叩いて落とす方がよいと思います。
刺された所はミネラルウォーターや水道水などで洗います。水洗いだけでも、毒成分の一部を除去したり、他の雑菌の侵入を防いだりすることができます。
患部は、数時間で膿んで腫れてきます。もし、抗ヒスタミン成分が入った軟膏を持っていたら、それを塗ることでかゆみや腫れを多少抑えることができます。
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20170710-OYT8T50079/
対処方法をまとめると、次のようになります。
- ヒアリに刺されても手で払わないで、手ぬぐいやタオルで叩いて落とす(何度も毒針で刺せるので、手も刺される危険がある)
- 刺された場所は水で洗う
- 抗ヒスタミン成分が入った軟膏を塗るとかゆみや腫れを多少抑えることができる
あくまでもヒアリの例ですが、コカミアリに刺されたときの参考にできるのではないでしょうか。
ひとまず応急処置をして、病院で診てもらうと安心ですね。